今年は年賀状を出しますか?年賀状は年始に心を込めて届けられる大切なご挨拶です。でも、「年賀状は作る手間が掛かるし、何だかマナーが厳しそう・・・」というイメージからか、手軽に連絡が取れる現代ではなかなか手が出せないという人も多いのではないでしょうか?ここでは、そんな年賀状のマナーを誰でも送れるように分かり易くご紹介します。
年賀状とは?どんなものなの?
年賀状とは、新年を祝う挨拶状のことをいいます。年賀状には新年を祝う言葉、旧年中の感謝や、変わらぬ厚情をお願いする気持ちが書かれています。更に、親しい間柄の人へは、近況報告を添えることがあります。
年賀状は、新年に届けられるように贈るのが一般的です。郵便局では、年賀はがきを用いて、または年賀はがきだと分かるようにして出された葉書は、新年に届けられるようにしています。以前は元旦に届けるためには12月25日までの投函を推奨されていましたが、現在ではSNSやインターネット通信網などの普及により年賀はがきのやり取りが減少し、家庭用プリンターの普及により手軽に手早く年賀状が作れるため、12月30日頃が投函のピークだといわれています。
年賀状の起源ははっきりとは分かっていませんが、平安時代頃には文書での新年挨拶が交わされていたといわれています。
日本に近いアジア圏である中国、台湾、韓国などにも同様の文化があります。欧米でも新年の挨拶を交わす文化がありますが、クリスマスと新年を同時に祝う「グリーティングカード」が主流です。
年賀状を出す際に宛名面や裏面のマナーはあるの
年賀状を出す際には、宛名面や裏面に書くべき内容など最低限のマナーがあります。
まず、宛名面には、送りたい相手の正確な住所、氏名が必要です。住所を間違えて届かないのも困りますし、氏名や氏名の漢字を間違えると新年早々から相手に不快感を与えてしまいます。
また、印刷技術が進み、現在では宛名面に横書きで住所を書く人も多いものです。でも、正式には縦書きです。目上の方へ贈る場合には、縦書きを意識しましょう。
宛名を縦書きをする場合には、以下の点に気を付けると美しく書けます。
①書き出しの位置
住所の書き出し位置は、右端を一行分空け、郵便番号の枠から一文字分空けて書き始めます。
②番地やマンションなどの部屋番号には漢数字を用います。
③件名や建物名は省略せずに全て書きます。
④ビル名やマンション名は次の行に書きます。書き出しは一文字分下げるようにしましょう。
⑤氏名は郵便番号枠の左から二つ目の下一文字分空けた場所から書き出すことを意識します。
⑥苗字と名前の間に一文字分のスペースを空け、「様」を付けます。会社全体へ送る場合は、会社名+御中が基本です。
⑦家族の名前を書く場合、二人目以降は苗字を省き、左隣に名前+様を書きます。
⑧家族の人数が多く、書ききれない場合には、代表者の名前+様を書いた左隣に「ご一同様」と書きます。
⑨差出人は、左下の郵便番号枠に合わせて小さめに書きます。もしも裏面に差出人の住所や氏名を入れている場合には、宛名面に書く必要はありません。
会社などに贈る場合は、部署が同じでも連名にせず、個別に送ります。二世帯住宅の場合も連名でなく各家庭に贈るのがマナーです。
では、続いて、裏面のマナーを見ていきましょう。
年賀状を出す際に賀詞の種類など注意すべき点は?
裏面には、まず賀詞を大きめに書きます。賀詞とは、「謹賀新年」や「寿」、「賀正」、「迎春」、「あけまして おめでとうございます」、「A HAPPY NEW YEAR」など年賀状の冒頭に書かれている新年を祝う言葉です。
賀詞にはそれぞれ意味があり、関係性で使い分けた方が良いものもあります。
<一文字>
寿・・・めでたい、喜び、祝い
賀・・・祝い
春・・・新春
吉・・・めでたい
<二文字>
賀正・・・正月を祝う
賀春・・・新春を祝う
初春・・・新年、新春
迎春・・・新年を迎える
<四文字>
謹賀新年・・・謹んで新年をお祝いします
謹賀新春・・・謹んで初春をお祝いします
恭賀新年・・・恭しく新年をお祝いします
<文章>
あけまして おめでとうございます
新春のお慶びを申し上げます
謹んで新春のお慶びを申し上げます
このように、様々な賀詞が存在します。では、具体的にどのように使い分ければ良いのでしょうか?
前述の通り、文字数によって挨拶の丁寧さが変わります。例えば、一文字・二文字のものは、喜びや祝いを表わしているものの、丁寧さに欠ける一面があります。そのため、目下の人に送るのであれば一文字・二文字の賀詞、目上の人に送るのであれば四文字・文章の賀詞にするのがマナーなのです。因みに、使い分けるのが大変という場合には、四文字で作成し目上にも目下にも送れるもので統一しても良いでしょう。
送る相手が被災地の人であったり、入院や病気療養中などでお祝いの言葉を使う事に抵抗がある場合には、「笑門来福」や「一陽来復」など前向きな意味を持つ四字熟語を使うと良いでしょう。
賀詞の後には本文を付けます。本文では、次のような事を書きましょう。
①謝辞・・・日頃の感謝
「旧年中は大変お世話になりました」
②お願い
「本年もよろしくお願い申し上げます」
③祈り
「皆様の御健康と御多幸を お祈り申し上げます」
また、文章では、上記以外にも「お会いできる日を楽しみにしています」など一言メッセージを添えると丁寧です。
最後に、「令和〇年元旦」と日付を書きます。
年賀状のデザインは干支が人気?家族写真など載せるべき?
年賀状のデザインは、その年の干支モチーフが人気です。近年では、手作りでも自宅のパソコンで簡単に可愛いイラストや写真が印刷できますので、自分の気に入ったオリジナル年賀状が出来上がります。
少し手を掛けたい場合には、サツマイモやジャガイモで芋版画を作ったり、消しゴムはんこのような物を作り、それらを押して年賀状を作っても良いでしょう。また、自分で干支の動物を撮影した写真などを加工して載せても面白いでしょう。
コロナ禍でなかなかマスクを取った顔が見せられませんので、家族写真を年賀状に載せても喜ばれるかも知れません。
年賀状を自作する場合、作成時期はいつ頃?手書きと印刷どちらが良い?
年賀状を自作する場合、作成は11月後半から12月半ば頃にするのがベストなタイミングです。喪中はがきが送られてくるのが12月上旬頃までなので、それまでに仕上げてしまうと送れない葉書が出てしまう恐れがあります。
裏面を一足早めに仕上げておき、宛名面を12月半ば頃に作ると無駄にならず安心です。元旦に届ける場合には12月25日までに投函することが望まれます。正月三が日に届けるようにするには、30日頃までには投函しましょう。
手書きには手書きの良さがありますし、印刷には印刷の良さがありますので、どちらかにこだわる必要はありません。裏面だけ印刷で作成し、宛名は思いを込めながら手書きという人も多いでしょう。自分の作りやすい、負担にならない方法で作りましょう。
まとめ
年賀状は新年の挨拶のために送られる葉書です。昔から大切に受け継がれてきた風習なのですが、それだけに様々なマナーがあります。特に、賀詞の選び方や宛名面の書き方、投函する時期など、注意すべきポイントは幾つかあります。でも、決して難しいマナーではありませんので、参考にして作ってみて下さい。